ひな祭りに雛人形を飾りますが、飾りで欠かせないのは菱餅です。
見た目もひな祭りならではで、ひな祭りの特別感を演出してくれていますよね。
ではどうして菱餅を飾るのでしょうか?
今回は菱餅の由来や、意外に困ってしまう菱餅の食べ方についてご紹介したいと思います!
目次
菱餅って一体何なの?
独特なひし形をしたおもち、というのが菱餅の印象かもしれません。
ひな祭りはもともと中国から伝わったわけですが、この菱餅も一緒に中国から伝わったのです。
ひし形という特殊な形は心臓を表し、厄災を取り除こうとする気持ちが込められており、子どもの健康を願う親の愛が示されているのです。
ひし形は戦国武将の武田信玄の家紋はひし形が使われるなど、古来日本で重要な印として使われていました。
ちなみに武田信玄の家紋に使われているひし形は、田んぼを示していると言います。
昔は米はお金と同等の価値がありましたから、田んぼは命と同じくらい重要でした。
ひし形は日本人にとって、特別な形であることがわかります。
さて、話を戻しましょう。
菱餅はひな祭りの代名詞として飾られるわけですが、実は菱餅にはいろいろな由来や意味があります。
実にバラエティに富んでいますので、1つずつ順番に紹介していきたいと思います。
3色に込められた願い
菱餅は上からピンク、白、緑の3段階から構成されています。
それぞれの色には願いが込められているのです。
ピンク
ピンクはクチナシを使っているのですが、解毒作用、防腐作用があります。
疲労回復として知られているので、ピンクには健康を願う意味が込められています。
白
白は菱の実が使われています。菱の実には血圧を下げる効果があり、現代でもかなり重宝されそうですね。
白には子孫繁栄や長寿の願いが込められています。
緑
緑にはよもぎが使われており、増血効果に期待ができます。病気を予防し、目を良くする効果があります。増血効果すばらしい!
よもぎは今でもお餅には欠かせませんので、馴染みもありますね。
よもぎは薬草としても使われていて、解熱や解毒もできるスーパースターと言えます。
他にも月経不順を解消してくれるため、女性の味方にもなってくれていますね。
3色には情景を示した意味もある!
ピンク、白、緑には、なんと情景を示したストーリー要素があると言われています。
ピンクは桃、白は雪、緑は大地を意味しており、
『雪が溶けて、大地に草が芽生えて、桃の花が咲く』
という菱餅一つで何とも芸術的な情景を示している側面も持っています。
このピンク、白、緑という順番にも注目で、雪(白)の下に大地(緑)が眠っている様子も伺えますから、桃(ピンク)が春を伝えて大地を起こそうとする春らしい情景が思い浮かびます。
昔の人の想像力たるや、尊敬に値しますね!
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江戸時代までは、菱餅は白と緑の2色だけだった
意外と思われるかもしれませんが、菱餅にピンクがあるのは明治時代以降であり、江戸時代までは白と緑しかありませんでした。
溶ける雪の様子と、その下から草が出てこようとする情景であったと考えられます。
ですが白と緑の2色だと、5月5日の端午の節句で良く出てくる柏餅と同じ配色になってしまいますし、あまり女の子の日というイメージもありませんよね。
そこで明治時代になると、より女の子のためのお祝いを強調するという意味でピンクが追加されたということです。
ピンクにはクチナシが使われているのですが、クチナシ自体は江戸時代には既に食用として庶民に愛されていました。
特に疲労回復や防腐効果があったことから、よく旅に出る人や、配達業を営んでいた人には重宝されたということです。
最近は、さらにオレンジと黄色が加えられていることも!
一般的にはピンク、白、緑の3色でありますが、最近はピンクの上にオレンジと黄色を合わせた5色バージョンもあるとのことです。
ちなみにオレンジは太陽、黄色は月や菜の花を表しています。
先ほどのピンク、白、緑には情景があるという話を申し上げましたが、さらに具体的な情景を思い起こすことができます。
太陽と菜の花が追加されると想定してみると、
『春の太陽により雪が溶けて、大地に草が芽生えて菜の花も咲き、桃の花が咲き誇る』
という感じでしょうか?
太陽が加わることで冬の終わりを強調できますし、菜の花が加わることで春の華やかさが表現できたのではないかと思います。
菱餅の見た目も鮮やかで華やかなものになりますし、5色もアリだと思いますね。
気になる菱餅の食べ方は?
菱餅は鏡餅のようなお餅なので、焼いて食べるというのがベターな食べ方です。
お祝いで出てくるお餅なだけに、色ごとで分けたり、切ったりしても大丈夫なの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かにちょっと躊躇しちゃうような気もしますが、そこは食べるという主目的がありますから問題ありません。
特に切り方や調理方法にルールはなく、大きければ切っても良いですし、1色ごとに焼いてしまっても問題ないです。
ただ菱餅の角をちぎりながら食べると、『角が立たないように丸く生きることができる』と言われているので、食べる時はちょっと意識してみると良いかなと思います。
ちなみに菱餅を小さく切って、ひなあられにするという驚きの調理方法もあるようです!
時代と共に進化してきた菱餅
ひな祭りは平安時代から続く伝統あるお祭りですが、菱餅に至ってはターニングポイントは明治時代であり、ピンク、白、緑の3色が登場したのは明治時代でした。
その後もオレンジ、黄が足されて5色も登場するなど、進化を遂げている菱餅。
しかし菱餅の根源には、子どもの健やかな健康を祈る親の愛が込められており、ただの飾りではないことはどの時代でも同じことが言えると思います。
ひな祭りをより華やかにするためにも、是非雛人形と一緒に菱餅も飾りたいですね!
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