ひな祭りの料理と言えばちらし寿司が定番ですが、ちらし寿司に沿える汁物としては、はまぐりのお吸い物が定番です。
あさりならまだしも、あまりはまぐりに親しみがないように感じますが、どうしてひな祭りにはまぐりを食べるのでしょうか?
今回はひな祭りにはまぐりを食べるようになった由来や意味、そしてお吸い物についてご紹介したいと思います。
目次
ひな祭りのはまぐりは、女の子の遊びから始まった
今から1000年も前、平安時代において、はまぐりの貝を使って絵合わせ遊び(今でいうトランプの神経衰弱ですね)があったそうです。
その遊びの名前は『貝合わせ』と呼ばれていたようなのですが、使われていた貝こそはまぐりだったわけです。
はまぐりの貝は、対になっている貝でないとピッタリ合わないため、絵合わせ遊びにもってこいだったわけですね。
このことから、はまぐりの貝は仲の良い夫婦を指すようになり、ひな祭りでは一生1人の人と仲良く添い遂げられるように、という願いが込められたということです。
昔は簡単に離婚するようなことはできなかったので、夫婦仲良くして欲しいというのは、親としては当然の願いだったのでしょうね。
はまぐりは嫁入り道具にもなっていた!
はまぐりには仲の良い夫婦になって欲しいという願いがあったことから、嫁入り道具にもなっていたようです。
江戸時代になると、『貝桶』という嫁入り道具が登場します。
これは上級階級の行事だったようですが、毎日仲良くありますように、という意味で「1年360個のハマグリに豪華な絵を描き、貝桶に入れて一番最初に運び込んだと言います。
ちなみに360個なのは、当時は旧暦だったため、1年が360日であったためです。
もし今やろうとしたら、365個必要ということですね。
こんな手の込んだことをするのは驚きですが、上流階級なら納得のいくお話ですね。
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はまぐりはどうしてお吸い物なのか?
はまぐりの食べ方はいろいろあるのですが、実ははまぐりの旬は2~4月ということもあって、ひな祭りの時期は旬の真っただ中です。
ぷりっぷりのはまぐりの栄養をまるっと頂こうと思うと、お吸い物が一番適していると言われているのです。
確かに焼いたりすると、はまぐりから出てきたエキスがこぼれたりしますからね。
お吸い物にしたというのは、昔の人の素晴らしい知恵と言えます。
また、はまぐりのお吸い物の別称として『潮汁』とも呼ばれるため、初潮を連想させるとして女の子の成長を祈るという言い伝えもあります。
まるっと頂きたいくらいはまぐりは栄養価が高いのですが、どれくらいすごいのでしょうか。
はまぐりに含まれる素晴らしい4つの栄養素をご紹介したいと思います!
①タウリン
リポビタンDでも大々的に宣伝されているタウリンですが、タウリンには体の細胞を正常に戻そうとする働きを助ける役割があります。
つまり、疲労回復にうってつけということになります。
他にも目の疲労も取ってくれるので、目の周りの血行が良くなって黒ずみも解消されます。
目力がアップするというのも素晴らしい効果ですね。
②亜鉛
亜鉛にはタンパク質の合成、胃の発育に用いられる栄養素です。
タンパク質を作ってくれるので、動脈硬化の予防にも期待されています。
そして最近良く聞く『デトックス効果』があると言われています。
デトックス効果とは、体内の毒性を排出し、美肌に良いとされる美容の鏡なのです。
③カルシウム
言うまでもないかもしれませんが、丈夫な骨を作るのに欠かせない栄養素です。
心臓を活動させるのに必要とされており、イライラの解消にもなります。
④鉄分
血液中にある赤血球のヘモグロビンを作る材料となります。
ヘモグロビンは酸素を運搬する役割があるため、貧血の予防に効果があると言われていますね。
はまぐりは栄養価も高く、美容効果もあるめでたい食材!
はまぐりは亜鉛を多く含む食材であるため、デトックス効果をはじめとして美容効果が非常に高いです。
春が旬となるありがたいはまぐりですが、春は気分も高揚しますし、お出かけの機会が増える季節でもあるので、美容に良いというのは素晴らしいですよね。
はまぐりは栄養価が高いこともあり、めでたい行事で登場することが多いため、なんと「お食い初め」でも登場します。
栄養のある食材をお食い初めで出すことで、これからも食べるものに困りませんように、という願いが込められているのです。
はまぐりを漢字で書くと『蛤』
はまぐりを漢字で書くと、『蛤』となり、やっぱりピッタリ合う貝をもっていることが特徴であることがわかります。
「合う」というのは非常に縁起が良く、先ほども申し上げたように仲の良い夫婦に例えられています。
そのため、ひな祭り以外にも結婚式でも定番メニューとなっています。
僕も今までは高級だからはまぐりの料理が出てきたのかな?と思っていたのですが、理由を知るととても恥ずかしいですね(笑)
ちなみに『蛤』の部首が「虫へん」になっているのですが、これは虫を表しているわけではありません。
ここで言う虫とは、「鳥、獣、魚以外の動物」のことを指しています。
つまり貝は全て虫ということになりますね。
僕らが知っている虫とは昆虫を指したりしますが、それは本来漢字では「蟲」と表現されるのですが、それが略されて「虫」となったのです。
もし小学生くらいのお子さんに「どうして貝なのに虫へんなの?」という知的な質問をもらったら、この話をして頂ければ、物知りなパパ、ママとして尊敬されると思いますよ!
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