節分は豆をまくイベントというイメージが強いですが、忘れてはいけないのは節分に食べる節分ならではの料理です。
昔の暦では大みそかだった節分は、特別な思いがありました。
そんな特別な思いを料理に込めた心を、現代の僕たちも感じたいですね。
今回の特集は、『節分に食べる、節分ならではの料理』です!
目次
節分ならではの料理メニューがあるのです
節分ならではの料理と言えば、恵方巻きが代表格ですが、実は他にもいろいろな料理が節分の習わしとして伝えられています。
中には初めて聞くような料理もありますが、全ては昔の暦で言うところの大晦日だからこそ、1年を締めくくろうという気持ちが形になって残っています。
節分ならではの料理メニューは、以下の6品となります。
- 恵方巻き
- けんちん汁
- 節分そば
- 焼きイワシ
- 福茶
- こんにゃく
どれも基本的には全国共通となっていますが、地域によっては風習が無かったりする料理もあるかもしれません。
僕は節分そばなんて食べたことないですしね…
それでは順番に紹介していきたいと思います!
恵方巻き
言わずとしれた、節分料理の大定番です。
意外に歴史が浅くてびっくりしてしまいますが、今となっては愛されているので、それはそれでいいのかなと思います。
恵方巻きの由来や、子どもにどのように教えたらいいのか、まとめてみましたので参考にしてみてください!
⇒参考:【節分恵方巻の由来】子供に教えてあげられる恵方巻の由来とは?
けんちん汁
けんちん汁が節分と関係があったのは驚きですが、寒い中飲むけんちん汁は非常に節分に適していると思います。
けんちん汁の語源については諸説ありますが、鎌倉にある建長寺(けんちょうじ)の僧が作ったため、「けんちょう汁」と呼ばれるようになったものの、いつしか訛りが入って「けんちん汁」になった、という語源が有力みたいです。
けんちん汁はお寺の名前だったということですね。
この語源が有力となっている理由は、このけんちん汁はまるで精進料理のようにヘルシーな仕上がりになっているところにあります。
精進料理とは、仏教の教えに従って、無益な殺生や煩悩への刺激を避けた料理であり、動物(肉や魚)が入っていないのが特徴です。
出汁についても鶏ガラや鰹節を使うことはなく、なんと昆布やシイタケから出汁をとっています。
具材は複数ありますが、大根、ニンジン、ゴボウ、里芋、こんにゃく、豆腐がメインであり、どれも野菜になっていますね。
大根とにんじんはイチョウ切り、ゴボウはささがき、里芋は輪切り、こんにゃくは小口切りと様々な切り方で調理をしているため、見た目もおしゃれです。
これらの野菜は胡麻油で炒めて出汁を加えて煮込み、最後に醤油で味を調えます。
現代の野菜不足を解消してくれる、素敵な吸い物ですね。
ちなみによく豚汁と間違われますが、豚汁はそもそも豚肉が入りますし、味噌を使って味を調えています。
精進料理という考え方からすれば、けんちん汁と豚汁は根本的に違いますので、注意してください。
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節分そば
節分そばは初めて聞く方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、節分とは昔の暦で言うところの大晦日でしたから、大晦日に食べるそばと考えると、おのずと答えが出てきますね。
そうです、節分そばとは、年越しそばのことなのです!
昔は節分そばという名前で親しまれていたのですね。
では、なぜ節分(大晦日)にそばを食べるのでしょうか?
諸説はいろいろありますが、有力な説が7つありますので、ご紹介したいと思います。
- ソバという植物は、風で倒れてもすぐに起き上がるため、そのたくましさにあやかった。そばは健康に良い!という話が流行った。
- 金細工師が金粉を集めるのにそば粉を使ったことから、そばは金を集める縁起物とされた。そばは切れやすいので、今年のイヤなことは切り捨てて、来年を新たに迎えようと誓った。
- そばは細長いため、長く細く生きられるように願った。
- 室町時代、ある長者が大みそかに無事息災を願って、そばがきを食べたのが起源とされる。
- 鎌倉時代、年をこせない貧しい人に、博多の承天寺でそば餅を振る舞ったところ、翌年から運が向いてきた。
どの説も内容も方向性もバラバラではあるものの、どれも大みそかにそばを食べる理由にはなっていますね。
引っ越しそばがあるように、そばには新しい気持ちでスタートさせるという願いが込められているように感じます。
焼きイワシ
イワシは魚へんに弱いと書くくらい、弱々しい魚の象徴となってしまっていますが、節分になると話は別です。
イワシの生臭さ、そして焼いた時に発生する煙によって、鬼を家の中に入れない魔除けの効果を発揮します。
煙を発生させないといけないため、イワシは焼きイワシとなりますが、イワシは非常に高い栄養価によって厳しい寒さを乗り越えるパワーとなります。
イワシを節分に食べる理由、おススメな調理法などをまとめましたので、ご覧頂ければと思います。
参考:【節分いわし】なぜ食べる?いわしに隠された親の愛とは?
福茶
豆まきで用いた節分の豆をお茶にしたのが福茶です。
豆まきで用いる節分の豆は神聖なものですから、その豆を使ったお茶はとても縁起の良い飲み物とされています。
福茶の素晴らしさについて、まとめてみましたので参考にして頂ければと思います。
参考:【節分豆を食べる数】子供が納得する「食べる数」は幾つ?
こんにゃく
今では非常にヘルシーな食べ物として人気のこんにゃく。
100gあたりのカロリーは5~7kcalしかなく、8割は食物繊維でできています。
意外なことですが、人間の体では食物繊維は消化することはできません。
よく「食物繊維が豊富ですよ」という謳い文句のダイエット食品を見かけますが、その豊富な食物繊維は消化できずに体外へ流れてしまうのです。
しかし、そのおかげで便秘が解消されるため、女性には特に人気ですね。
こんにゃくを節分に食べるのは、こんにゃくは便秘を解消するといった、腸の掃除をしてくれるからであり、『腸の砂おろし』と呼ばれて1年の体内に貯まった砂を出すという意味で食べるようになったと言います。
腸の大掃除をするような意味合いが、節分のこんにゃくにはあるのです。
節分の料理の習わしには、新年を迎える思いが詰まっている
現代の暦では、節分というのは2月上旬ということもあり、1年の行事の中では通過点のような位置づけになっています。
しかし昔の人にとって、節分とは大みそかであり、1年を締めくくる大事な行事でした。
ですから、節分の料理には1年の清算、そして迎えるべき新年への希望がこもっているのです。
現代では2月ですが、まだまだ1年は始まったばかり。
改めて決意を新たとし、良い年になるようにしていきたいですね。
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