イワシは秋から冬にかけて旬を迎える魚であり、栄養満点昔から貴重な栄養源でした。
しかし漢字にしてもわかる通り、イワシは冷たい扱いをされてきました…
但し!節分においては、イワシはヒーローとして大活躍します!
食べて良し、飾って良しのイワシの秘密に迫ります!
目次
鰯(いわし)とは弱くて卑しい魚…でも節分では大活躍!
鰯(いわし)の語源は、「弱し(よわし)」や「卑し(いやし)」であり、ネガティブなイメージのある魚です。
漢字で書いても魚ヘンに弱いと書くほどですから、イワシは残念ながらそういう立ち位置となっています。
しかし節分となると逆となり、イワシは魔除けとして使われ、イワシを焼くことで独特の臭いや煙を発し、鬼を退散させてきました。
柊(ひいらぎ)との連携プレーは実に見事であり、鬼退治の道具として重宝されてきました。
鰯(いわし)と柊(ひいらぎ)の連係プレーについては、こちらで詳細にまとめています。
参考:【節分いわし&ひいらぎ】子供に教えてあげよう!鬼のやっつけ方!
節分にイワシを食す文化とは
節分のイワシと言えば、柊(ひいらぎ)と共に鬼を寄せ付けないファインプレーを見せてくれるのですが、他には節分のイワシには『食す』という文化があります。
栄養価が高くて評判のあるイワシですが、イワシの旬は秋~冬となっており、旬のイワシは脂も乗っていて非常においしいです。
節分でイワシが用いられる理由としては、イワシが持つ「弱し(よわし)」「卑し(いやし)」の部分であり、節分にイワシを食べることで弱さや卑しさに負けない強い心を持つという意味があるそうです。
しかし、イワシが節分で食されるのは、何もイワシの名称の由来だけではありません。
非常に高い栄養素という、親が子に寒い時期を乗り切って欲しいという願う親の愛があったのです。
イワシが栄養価が高いというのは知識としてご存じの方が多いと思いますが、具体的にどうすごいのか、以下にまとめてみました!
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イワシに秘められた、7つの栄養素パワー!
①カルシウム
魚は全般的にカルシウムが豊富と言われていますが、それはイワシも例外ではありません。
カルシウムには歯や骨の基となっており、同時に骨粗しょう症を防ぐ効果があります。
②ビタミンD
カルシウムの吸収を助けるサポート役です。
新しい骨が毎日作られるような成長期の子どもにとって、カルシウムとビタミンDは欠かせないものになっています。
③ビタミンB2
細胞を再生したり、健康や皮膚や髪を作るのに必要な栄養と言われています。
僕たち中高年にとって、ビタミンB2はいろいろな意味で非常に重要ですね!
④EPA・⑤DHA
EPAとは、エイコサペンタエン酸と言って、本来はイワシのような青魚などに含まれる必須脂肪酸であり、人間は体内で合成ができないため、食べることで吸収するのです。
DHAとは、ドコサヘキサエン酸と言い、EPAと同じく必須脂肪酸であり、とても貴重な栄養源となっています。
どちらも青魚の中では最も多く、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす効果があります。
また、脳の働きを良くしてくれるので、老化の防止に効果があります。
生活習慣病の予防にもなるため、世間で大注目を集めましたね。
今はちょっと注目の度合は落ち着いていますが、生活習慣病の予防になることは何も変わっていません。
生活習慣病とは、厚生労働省が言うには「食習慣」「運動習慣」「休養」「喫煙」「飲酒」などの生活習慣が、その発症や進行に関与する疾患ということです。
簡単に言うと、「偏った生活をしていると、重い病気にかかるぞ」ということですね。
具体的な病気を挙げると、高血圧、糖尿病、脂質異常症などがあり、どれも非常に重い疾患と言えます。
とても万能な栄養でありますが、「酸化しやすく熱に弱い」というワガママな性質が目を覚ましてしまった感じがしますね。
熱に弱い時点で、生で食べられる刺身がすぐに思いつきますが、意外なところで缶詰も良いようです。
缶詰のイワシは味付けもしっかりしていて、かなりタレに漬け込んでありますので、ご飯のお供になれそうですね。
⑥タウリン
リポビタンDなどの栄養ドリンクで良く聞く名前ですね。
コレステロールの代謝促進、肝臓強化といった効果に期待ができます。
⑦カリウム
塩分の吸収を抑える効果があります。
現代では高塩分の料理が多いため、カリウムの働きは重宝されています。
昔も調味料はほとんど種類がなかったため、塩分の摂取量は多かったと言われています。
節分のイワシには、親の愛情が詰まっている!
イワシがどれだけ素晴らしい栄養素であるかおわかり頂けたと思いますが、昔はこれだけ安価なのに栄養価が非常に高いイワシは庶民の味方だったに違いありません。
しかしイワシは鬼の魔除けで使われてしまうほど、独特の臭いを発し、味も結構な独自性のある仕上がりとなっています。
よって、なかなか子どもが食べてくれないと言う悩みもあったようです。
昔は当然今よりも医療は発達していませんし、季節は一番死亡率の高い冬です。
どうにかして親としては子どもにイワシを食べてほしい!と思っていたはず。
薬もほとんど無かった時代、薬は栄養価の高い食事を摂ることでした。
ですから、この節分という昔でいう大みそかという特別な日に、イワシを食べる行事を追加したのです。
普段は全然イワシを食べてくれなくても、イベントであればまた違った気持ちでイワシを食べてくれるはず…
そんな子どもを想う親の愛が詰まっているのが、この節分にイワシを食べる大きな理由なのです。
昔から伝わる行事とは、もちろん伝説や言い伝えが基になっていることがほとんどです。
しかし民衆に幅広く伝えられたような行事は、民衆が知恵を出し合い、今の形にしていったと思うのです。
しきたりや風習はもちろん大事ではありますが、こういった親から子への想いも込められていることも確かなことです。
このような行事が、色あせることなく続いてほしいと願わずにはいられません。
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