節分になると、家の門に飾られたイワシの頭と柊の奇妙な飾りを良く目にします。

この奇妙な飾り、実は鬼をやっつける強力な武器だったのです!

なぜイワシの頭と柊の枝が武器になるのか?イワシと柊の秘密、暴いていきましょう!

柊(ひいらぎ)と鰯(いわし)の頭を使って作る飾りは秘密兵器!

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節分になると、柊の枝に鰯の頭を刺した飾りが家のあちこちで見かけるようなります。

最近はちょっと薄れてきた文化ですが、これは鬼をやっつけるためにある飾りですから、侮ることはできません。

でもどうして柊と鰯の頭が鬼を懲らしめるのでしょうか?

柊と鰯の頭に隠された秘密を探っていきましょう!

柊も鰯も攻めの姿勢を崩さない好戦的な魔除けだった!

昔から、臭いの強いものや尖ったものは、魔除けや厄除けとして用いられていました。

お守りを門口に飾って、魔物や災いを避けるためのおまじないなのです。

鰯の生臭い臭い、そして柊の痛々しいトゲは鬼にとって苦手なものということですね。

鰯は焼くことによって、臭いと煙を発して鬼が近寄れなくなります。

もし近寄ってきたとしても、柊のトゲで鬼の目を刺して家への侵入を防ぐ、まさしくダブルブロックの効果があるのですね。

なかなか好戦的な飾りとなっているわけですが、それだけ鬼というものを家の中に入れたくないということです。

そうやって考えると、豆まきでは家の中へ入ってきた鬼を外へ追い出すわけですから、その時点で鰯と柊の攻撃をクリアーしていることになります。

つまり僕らが豆まきで相手にしている鬼とは、鬼の世界の中ではエリート鬼であることがわかります。

柊と鰯の頭の飾りの作り方

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柊と鰯にどのような意味があるのかご理解頂いたところで、飾りの作り方をご紹介したいと思います!

材料
  • 鰯の頭を1つ
  • 葉のついた柊の枝を1本(20cmあたりが妥当)
作り方
  1. 鰯の頭を焼きます(丸ごと1本焼いてから、頭だけ分離させるのもOK)
  2. 柊の枝に、背中から目に向かって鰯の頭を刺します。
  3. 完成したら、玄関先に飾ります

柊と鰯の飾りの由来とは?

記録として残っている最古のものとしては、平安時代の『土佐日記』という書物に記載されているものとなります。

『土佐日記』とは、紀貫之が土佐国(今でいう高知県)から京に帰る途中の、道中で起きた出来事を記したものです。

柊と鰯についてはお正月の季節で登場しますが、当時は鰯ではなくボラでした。

どうしてボラが使われたかというと、「ボラの口の中から大事にしていたカギが見つかった」という記述があるという説と、ボラは出世魚のためめでたいと言われて飾られていたという説があるようですね。

ボラがどうして鰯になってしまったかは定かではありませんが、鰯は字の如く弱いですし、「卑しい」とも言われています。

弱くて卑しいものを体内に取り込むのも良いと言われているので、鰯はもってこいだったのでしょうね。

あとはボラと鰯で比べた時、コスト的な意味で圧倒的に鰯の方が準備しやすいという説もあります。

節分という行事自体、宮中行事だったものを庶民に広まったものですから、いろいろ準備するものも庶民レベルに落とした方が都合がよかったのではないかと思います。

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柊と鰯の飾り、いつまで飾っておくの?

これは素朴な疑問ですね。

あまり長く飾っておきたくないような気もしますが、鬼の侵入を防ぐという重い任務を背負っているのに早々に切り上げて良いのか悩んでしまいますね。

実は、柊と鰯を飾っておく期間については、地域差があります。

主としては節分の時のみですが、なんと向こう1年間飾りっぱなしという地域もあります。

冬は良いですが、梅雨や夏になるとトンデモない空気が発生する可能性があるので、1年間はちょっと厳しそうです。

ネコに食べられたらおしまい、という地域もありますので、1年間飾りっぱなしにするよりかは、近くにネコがいたら食べてもらった方が衛生面を考慮すると良い手のように感じます。

節分が終わったら…処分方法はどうする?

節分が終わると、ひとまず柊と鰯の飾りは門から外されるかと思います。

問題は外された後で、どのように処分するかです。

魔除けとして使った柊と鰯の飾りを、他のゴミと一緒に捨てるのも躊躇しますし、ちょっと困ってしまいますね。

処分の方法は大きく分けると自宅で処分する方法と神社で処分する方法の2つあげられます。

それぞれについて、ご紹介したいと思います。

自宅で処分する方法

塩で清めてから捨てるのが一般的なようです。

捨てる際には、習字で使うような半紙にくるむとなお良いとされています。

魔除けとして使った神聖な飾りですので、処分する際には「ありがとうございました」という感謝の気持ちを忘れずに伝えたいところですね。

神社や寺で処分する方法

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神社で処分する場合は、『どんど焼き祭』への持参が一般的となります。

節分が2月3日であった場合、柊と鰯の飾りを下すのは翌日の2月4日となりますので、翌年に行われるどんど焼き祭に持参することになります。

どんど焼き祭とは、小正月(1月15日)に行われる行事のことです。

正月で用いた松飾やしめ縄、書初めなどを家から持ち寄って、1か所に積み上げて豪快に焼く正月を締めくくる火祭り行事です。

どんど焼きの火で焼いた団子を食べると1年間は健康で言われており、無病息災を願う祭りであることがわかります。

どんど焼きの火にあたるだけでも効果があるらしいので、どんど焼きの火はとても神聖なものであるのです。

1つ問題なのは、小正月が1月であるのに対し、節分が2月であることですね。

およそ1年待たなければいけなくなります。

昔は節分が大みそか、翌日が新春となりお正月だったので、今の暦で言うところの2月14日あたりが小正月にあたり、節分が終わった直後に小正月が来るというベストなタイミングでした。

しかし節分だけが今の暦の2月に置き去りとなり、正月だけが1ヶ月前に移動してしまったためにズレが生じてしまったのです。

地域によっては、どんど焼き祭以外でも、『節分祭』といって、焚き上げを行っている神社やお寺もあるそうです。

もしお住まいの近くで節分祭を行う神社やお寺があれば、そちらへ持参されても良いかと思います。

柊と鰯の飾りは、家族を守ってくれる!

いかがだったでしょうか。

柊の鰯の飾りは一見ありがたいようには見えないかもしれませんが、鬼が近づくのを防止し、もし家に入ってこようとしても蹴散らしてくれる見張り役だったのです。

鬼は人の心に済む悪い心だとされていますから、豆まきと合わせて鬼を退治し、みんな笑って過ごせるようにしたいですね!

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