「鬼はそと~福はうち~」と豆まきに夢中になる節分ですが、この豆まきには一体どのような意味があるのでしょうか?
そもそも鬼の正体とはいったい?どうして豆が鬼には効くのか?
子どもはもちろん、大人も気になってしまう豆まきの不思議。
後からしっかりと子どもに教えられるような、豆まきの豆知識をご紹介したいと思います!
目次
大人気の節分イベントには「なぜ?」がいっぱい!
節分の豆まきというのは、幼稚園の恒例行事になるくらい世間に認知されている2月のイベントです。
『鬼はそと~福はうち~』と叫びながら豆を鬼にぶつけ、鬼が泣きながら逃げていく、そんな悪を懲らしめるのは子どもたちには大人気ですね。
しかし、そんな幼稚園児もこのイベントに対して、ふと疑問に思うわけです。
きっと家に帰ってきたら、疑問をぶつけてくれるでしょうから、親としてしっかりと教えてあげたいところです。
子どもQ「そもそも節分って何なの?」
節分とは、その字の如く季節の分かれ目のことです。
2月と言うと完全に冬であり、季節の分かれ目ではないように感じますが、昔(明治時代の初期)までは今の2月初旬がお正月だったのです。
お正月は1年の始まりなので、『新春』という言葉がある通り、春の始まりというわけなのです。
つまり、2月の節分とは、「冬と春の分かれ目」ということですね。
正確に言うと、節分は分かれ目の前日となるので、大みそかになります。
子どもQ「どうして豆まきなの?鬼は豆が当たっても痛くないよね?」
なかなか鋭い質問ですね。
確かに鬼は強いですし、大きいので、豆くらいが当たったところで痛くも痒くもないように感じます。
しかし、これには古いお話が元になっています。
「昔、都に鬼が現れた時に、毘沙門天(仏教の神様です)のお告げにより、豆を鬼の目にぶつけて退治した」
というお話です。
「まめ」は「魔の目」となり、鬼の弱点だったということですね。
そして「魔を滅する」という意味でも「まめ」となります。
実は一種のダジャレの意味があったのです(笑)
昔の由来にはダジャレが使われていることが多く、昔の人はユーモアが溢れていたことが分かりますね。
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子どもQ「どうして節分の鬼は赤いの?他にはいないの?」
鬼と言えば赤というのは一般的ですが、確かに鬼は他にも青色がいたりしますが、戦隊モノのように赤のイメージしかありませんね。
実は節分における鬼は、全部で5人います。
色は、赤、青、そして緑、黒、黄となっています。
鬼とは、人間の中に住む悪い心が形になったものです。
鬼が5人いるということは、人間の悪い心が5つあるということですね。
これは仏教における考え方であり、心を清らかにして生きるのであれば心に蓋をしてしまっている5つの煩悩(心の汚れのことです)を取り除かないといけない、という考え方です。
それでは5人の鬼たちをご紹介しましょう!
赤鬼
欲望、貪欲が形になったものです。
豆まきをすることで、自分の中にある悪い心を取り除くわけですね。
鬼たちのリーダーであり、まとめ役となっています。
青鬼
憎しみ、怒りが形になったものです。
豆まきをすることで、福や徳が得られると言われています。
緑鬼
倦怠、不健康が形になったものです。
豆まきをして不摂生を反省し、健康を保つように願うわけですね。
黒鬼
猜疑心、愚痴が形になったものです。
卑しい気持ちを追い払って、平穏を願ったそうです。
黄鬼
我執(我を通すという意味です)、甘えが形になったものです。
豆まきをして、自己中心的な考えを反省したと言われています。
子どもQ「どうして2月の節分しか豆まきをしないの?」
この質問は節分のことを一通り教えた後に飛んでくる可能性があります。
節分は季節を分けるわけですから、1年に節分は4回あるということになります。
立春、立夏、立秋、立冬の4つですね。
ではなぜ豆まきを立春の時しかやらないのか?
立春は昔で言うお正月ということですが、節分はその前日、つまり大みそかです。
1年の最後の日に自分の心に問いかけて、悪い心、つまり鬼を見つけて退治する。
そうすることによって1年の反省をして、清らかな心で新年を迎えようとしたわけです。
自分の心には何色の鬼がいるのか?ということを考えるだけでも、今年1年を振り返ることができますよね。
今は2月に豆まきをするため、1年の反省と次の年の出発に備えるという意味は薄れていますが、どの色の鬼を見ても、日頃の自分を見ているような気持ちになる人も少なくないはず。
日々の自分を反省するという意味では、2月にやる豆まきも良いものですね。
こどもQ:どうして鬼はあんなに怖いの?
鬼は人間に近い形をしているものの、体は大きくて金棒を振り回せるくらい力持ちです。
牙も生えていて、目もかなり怖いですよね。
普通に戦っては人間には勝ち目がなさそうにも感じます。
ですが、鬼とは「人間が持っている悪い心」が形になったものです。
鬼が怖い形をしているということは、それだけ人間が持っている悪い心は、なかなか打ち砕くことができないということです。
5人の鬼を見てみても、人間の悪い心とは心の奥深くにあるもので、ちょっとやそっとで消せるようなものではありません。
節分の豆まきは子どもが中心となってやる勧善懲悪なイベントですが、よくよく考えると、寧ろ大人が退治するのに必死にならなければいけない気がしますよね。
消すことがほぼ不可能な悪い心であると決めつけてしまっているような形相をしているのが鬼の怖さです。
子どもからの質問に答える一方で、自分にも言い聞かせなくてはいけない部分もあるのではないかと思います。
節分の豆まきは、日頃の自分を見つめなおす行事!
いかがでしょうか?
誰もが持っている悪い心ですが、それを追い払うために豆を投げるのが節分の豆まきなのです。
これを大みそかである節分に行うことで、新年を快く迎えようとしたということなのです。
今の2月初旬は新年ではありませんが、鬼の正体が自分の中にある悪い心だとするならば、日頃の自分を見つめ直して反省する良い機会だと思います。
逃げる鬼を一生懸命追いかけて豆を投げる子どもの姿は、まさしく親の良心そのものです。
子どもと一緒になって、節分の豆まきを楽しみたいですね。
そして!豆まきが終わったら、自分の歳の数だけ豆を食べるという風習があります。
これは豆の数だけ今まで生きてきたんだ!という意味もありますが、豆まきは1年に1回しか行わないので、「鬼をやっつけた数」とも言えます。
まだまだお子さんが小さい場合は、食べられる数も少ないですが、年を重ねる毎に少しずつ、でも着実に増えていく豆の数を見て、子どもの成長を感じる良い機会になるのではないかと思います。
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