節分になくてはならないのが恵方巻。でも恵方巻の歴史が意外に短いのはご存知ですか?
しかも恵方巻の由来にまつわる話はどれも怪しいものばかり…
果たして恵方巻とは一体何なのか?恵方巻の秘密を暴いていきましょう!
目次
恵方巻とは一体どういうもの?
恵方巻とは、節分に食べる海苔巻のことです。
1年ごとに異なる方角(8方向ではなく16方向なので、なかなか細かい)を向き、喋ることなく無言で1本を食べきるという、ちょっとユニークなイベントです。
コンビニやスーパーでは、1月のお正月が終わると、バレンタインデーとの合間を利用して恵方巻を推してきますよね。
今や普通の恵方巻だけでなく、お寿司の具が入ったような海鮮恵方巻や、ボリュームたっぷりのトンカツ恵方巻などバリエーション豊富です。
丸かじりできるロールケーキなどといった、スイーツ部門まで進出してくるくらい、昔に比べると節分は盛り上がっているように感じます。
恵方巻の由来は?何とも言えないルーツが見え隠れ!?
恵方巻の由来については諸説あり、絶対これだ!とは断定するのは難しいところがあります。
しかしその中でも特に有力な2つの由来をご紹介したいと思います。
セクハラな由来説
太い巻物をくわえて…という時点で下品でよからぬイメージを持ってしまった方も少なくないと思います。
これは大阪船場のおいらん遊びが1つの由来になっている、というものです。
遊女にくわえて食べさせて、その姿を見て男性が楽しむという、何とも下品極まりないセクハラな遊びです。
昔は男尊女卑が当たり前の考え方でしたし、品のない遊びがあったのは確かなようです。
海苔業界の陰謀由来説
大阪の海苔販売業者が、昭和の初期頃から幸運を呼ぶ海苔巻を広めたという説です。
今でこそ2月はバレンタインデーという一大イベントがありますが、昭和初期にはバレンタインデーはありませんでした。
だからこそ節分は盛り上がりを見せていたのかもしれませんね。
ちなみに海苔は1年中市場に出回っていますが、実は海苔にも旬があり、11月から摘み取りが始まって3月中旬頃まで続きます。
特に11月に取れた海苔は「一番摘み」「初摘み」とされて、やわらかくて香り高いことで有名です。
2月となると旬の後半となるため、海苔を再び盛り上げようとして、節分の時期を画策したのかもしれません。
よくよく考えれば、恵方巻と節分って全然共通点ありませんものね…
由来はどうあれ、コンビニが恵方巻を全国デビューさせる!
20世紀も終わりを迎えようとした時、ついにコンビニ最大手であるセブンイレブンが動き出します。
1998年にセブンイレブンが「丸かぶり寿司 恵方巻」という商品名で全国デビューを果たしたのです!
恵方巻という名前はここで初めて登場したらしいので、2017年現在「恵方巻」は19歳になりますね(笑)
ちなみにセブンイレブンのオーナーさんは大阪出身ということですが、有力な由来はどちらも大阪が発祥となっています。
これらの由来は実際に形として残っているものもあるということですし、信ぴょう性があると言えばある話です。
ただそうすると恵方巻の由来は、ちょっと子供には伝えたくないような気がしますね…
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恵方巻の由来は躊躇するが、巻物は間違いなく縁起物!
恵方巻自体の歴史はちょっと浅いことが濃厚となってしまいましたが、巻物自体は戦国時代から存在していました。
しかもお正月に食べる巻物は、具材を7種類用意して七福神にあやかっている縁起物となっています。
七福神とは、以下の7人の神様のことを言います。
- 大黒天(だいこくてん)
- 毘沙門天(びしゃもんてん)
- 恵比寿天(えびすてん)
- 寿老人(じゅろうじん)
- 福禄寿(ふくろくじゅ)
- 弁財天(べんざいてん)
- 布袋尊(ほていそん)
それぞれの神様になぞらえた具材を入れることで、福徳を願ったということですね。
巻物の7種類の具材とは?
巻物の具材については、地方によって異なる(産物がまちまちなので仕方ないことです)わけですが、だいたいの定番というものは存在します。
- アナゴ
- 卵焼き
- シイタケ
- でんぶ
- キュウリ
- かんぴょう
- 菜の花
以上の7種類が定番になるかなと思います。
アナゴがウナギになったり、卵焼きがだて巻きになったり、若干の違いはあるものの、およそはこの形となるようです。
それぞれ色彩に富んでいるので、見た目もきれいですね。
きっとでんぶは紅一点の弁財天なんだろうなと推測できるのも良いですね。
ただ最近の恵方巻は、具材に特徴を持たせる場合が多く、7種類にこだわらない恵方巻が増えています。
スイーツとしての恵方巻もあるということを考えると、最早巻物としての意味が失われているような気もしますね。
願い事をするためではなく、イベントとして楽しむための巻物、という考え方に変わってきたと言えます。
お子さんに恵方巻の由来を教える時は、まず巻物が縁起物であることを伝え、そして願いが叶う様に丸かじりして福を体の中に入れる、というように教えると自然なのかなと思います。
歴史の浅い恵方巻!どうして急速に広まったのか?
2017年現在、まだハタチにもなっていない恵方巻ですが、どうして全国に一気に広まったのでしょうか?
これがセブンイレブンの策略と知っていながら、なぜ人は歓迎したのか!
(歓迎することが悪いことだとは思っていませんが…)
理由は簡単で、『主婦にとって実用的だったから』です。
どういうことかというと、恵方巻を食べれば、別に豆まきをしなくても良いのでは?ということです。
豆まきは素晴らしい文化でありますが、当事者である主に主婦からして見れば、後片付けは大変ですし、乳幼児がいる家庭だと口に入れないように気を遣わないといけません。
豆まきは子供が喜んでやる行事ですが、成長して中学生あたりになると豆まきをやることが恥ずかしいと思ってしまうお年頃にもなります。
あとは夕食の献立がビシッと決まるのも大きいと思います。
今はバラエティ豊かな恵方巻がありますし、手巻きにしてしまえば準備も少し楽になります。
片づける身からすれば、ただ散らかすだけの豆まきよりも、メリットが大きい恵方巻を選んでしまうと言うのは、ある意味必然なのかもしれません。
このような実用的な側面を持つ恵方巻は、あまり抵抗なく受け入れられたということが考えられるわけです。
怪しい由来のある恵方巻!でも大事なのは恵方巻を楽しむこと!
ちょっと怪しい由来を持つ恵方巻ですが、だからといって敬遠する必要は全くないと思います。
恵方巻は美味しいですし、皆揃って同じ方向を見て食べる恵方巻は楽しいイベントだと思いますしね。
バレンタインデーだってお菓子業界の陰謀だとか言われますが、ちゃっかり皆バレンタインデーを楽しんでるわけでして。
なかなか家族団らんになるようなイベントも多くないので、節分は家族にとって楽しい時間になるかと思います!
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