雛人形の3段目と言えば、5人の若者がズラリと並ぶ五人囃子です。

皆持っている楽器が違い、さぞかし素晴らしい演奏をしてくれたことでしょう。

しかし五人囃子には、出世を目論む野心家の集まりだったとも言われています。

五人囃子の役割やエピソードについて、ご紹介していきたいと思います!

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五人囃子とは一体何なのか?

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五人囃子とは雛人形の3段目に位置する楽団であり、なんと少年楽師によって編成されています。

当時で言うところの元服前であるため、髪は結んでおらず少年特有の髪型をしています。

現代では元服は存在せず、20歳になる年に行われる成人式と同じ意味を持っています。

つまり世間から大人としてみなされる儀式ということですね。

戦国時代だと政略結婚やら跡継ぎ問題やら、とにかく家を存続させたり勢力を伸ばしたりする必要がありました。

そのため早いところ大人として扱いたかった事情もあり、元服は10歳くらいで行われていたと言われています。

一方、今回の雛人形のように平安時代などといった比較的争いがなかった時代だと、元服はだいたい12~16歳だったと言われています。

とりあえず現代よりも早く大人扱いされているというのは、昔の方がしっかりしていたのか、それとも現代は平均寿命が長いため人生にゆとりができたのか、いろいろな憶測があるものの、少なくとも五人囃子は本当に今で言う子どもであったということです。

五人囃子は三角にとがった侍烏帽子(さむらいえぼし)を被っており、少年楽師としての誇りを感じますね。

囃子(はやし)ってどんなの?

囃子とは演奏形式の一つとされていて、日本の伝統的な芸能分野(能、狂言、歌舞伎など)にて演奏されるもので、気分を出したりする役割があります。

なんと日本の伝統文化としてだけでなく、ユネスコの無形文化遺産に登録されるという世界的にも誇れる演奏形式となっています。

日本の能や歌舞伎は世界でも相当人気ありますからね、自然と囃子も大切にされるのは理解できますね。

五人囃子の楽器と並び順はどうなってるの?

五人囃子は、僕らから見て、左から「太鼓(たいこ)」、「大鼓(おおつづみ)」、「小鼓(こつづみ)」、「笛(能管)」、「扇(謡い手)」の5人から成ります。

それでは順番にご紹介していきたいと思います!

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①太鼓(たいこ)

太鼓は打楽器のメジャーであり、いろいろな太鼓があるわけですが、ここでは締太鼓(しめだいこ)のことを指します。

大太鼓や宮太鼓はスペースの問題を考えても、ちょっと無理ですからね…

締太鼓については、小さな音と大きな音の2種類を使い分けます。

太鼓、大鼓、小鼓、笛のリズムを主導する役割も担っており、言わば五人囃子の楽器のリーダーと呼んでも過言ではありません。

②大鼓(おおつづみ)

小鼓(こつづみ)よりも少し大きいサイズとなっており、左手で持って右手で叩くスタイルです。

左側の腰に据えるのが基本のようですね。

打つ力だけで音を変えるのが特徴で、強く打つ、小さく打つ、そして抑えるの3パターン存在します。

ちなみに湿度を嫌うため、革は演奏の前に乾燥させる必要があります。

結構繊細な一面を見せてくれる大鼓です。

③小鼓(こつづみ)

右肩に乗せて左手で支え、右手で叩きます。

よく「いよぉ~ポポン!」みたいな感じで叩いてる光景を見たことがある方も多いことでしょう。

打つ力の他にも、紐の締め具合や皮を打つ場所で音階を変えることができ、太鼓なのに4種の音があります。

太鼓や大鼓よりも繊細な音を出すことが可能となっています。

大鼓とは逆で、適度な湿度が必要なため、革に息をかけたりするようです。

完全に湿度に関しては大鼓と小鼓で逆なんですが、良く隣同士で演奏できるなと思ってしまいますね。

④笛(能管)

竹でできている笛です。

他の楽器が太鼓系であるため、メロディを奏でてバランスを取ってくれそうですが、実は打楽器のようなイメージになるらしく、何とも不憫な楽器となっています。

但し、特徴的な点が1つあり、なんと管の中に細い竹が1本入っているため、鋭い良い音が出るとのこと。

他の楽器にはない存在感を見せつけてくれますね。

⑤扇(謡い手)

まさに主役の謡い手でありますが、ワキ役もやるしBGMのコーラスもこなしたりする、声関連のマルチな活躍を見せてくれます。

一般的な能であれば、4人くらいいても良いわけですが、五人囃子だと当然一人しかいないので、何でもこなさなくてはいけないのです。

ちなみに出番の時は扇を上げ、そうでない時は扇を下げるという独特な動きがあるのも特徴ですね。

五人囃子は野心家の集まりだった…!

楽師の世界は、華やかでありながら野心が集う、まさに芸能界そのものです。

野心家の集まりになっちゃうのは、主に時代の権力者の後ろ盾があったからというのが濃厚です。

これは権力者の娯楽であるが故であり、仕方のないことかもしれません。

幕府や諸国のお抱えの役者にまで這い上がることができれば、高い地位に成り上がれるチャンスにもなるので、野心が集まっちゃうんですよね。

五人囃子の立場を考えると、まさにその渦中にいて、今後の自分の出世を占う場であっても自然のことなのです。

そう考えると、雛人形の中における五人囃子とは、絶対失敗が許されない、かなり緊迫している環境だったのではないかと思います。

人形は笑顔になっているかもしれませんが、とても緊張していたと思いますね…

実際、自分の子どもも多かれ少なかれ、緊張する場面は多くあるでしょうから、それを乗り越えられますように!という願いを込めておきたいなと思います!

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